【お役立ち情報】外国人を雇用する企業担当者様へ：外国人の部屋探しやライフラインの手配における課題と問題点

はじめに

突然ですが、日本で働く外国人労働者が2023年10月の時点で、前年と比較して12.4%増加していたことはご存じでしょうか？

また、今年の3月に政府が、一定の技能がある労働者を受け入れる在留資格の「特定技能」について、2024年度からの5年間の受け入れ枠を82万人とした閣議決定についてはご存じでしょうか？

日本国内の労働力不足を補うため、海外から外国人労働者を受け入れ、今後も増加していくなか、外国人を雇用する企業にとって、外国人従業員の住居やライフラインの手配などのサポートは重要な課題となってきます。

これらの手続きが円滑に進まないと、外国人従業員の入国や入社日の再調整が発生したり、外国人従業員本人が業務に集中できなくなる可能性があります。

本記事では、外国人従業員が直面する部屋探しやライフラインの手配に関する主な課題や問題点について詳しく解説し、企業がこれらの問題を解決するための対策についても触れていきます。

 

1. 言語の壁

部屋探しにおける言語の障害

日本語が流暢でない外国人にとって、部屋探しは大きなハードルとなります。
多くの不動産会社や大家は、まだまだ日本語のみでの対応のところが多く、英語や最近需要の多いベトナム語、インドネシア語など他の言語での対応が難しい場合がほとんどです。
そのため、外国人は物件の契約条件の理解や契約書・重要事項説明書の内容を把握するのに苦労します。

ライフラインの手配における言語の障害

電気、水道、ガス、インターネットなどのライフラインの手配も同様に、多くの業者で日本語での手続きが求められるうえに、日本国内で使用可能な電話番号が必要となります。
これにより、外国人はサービス内容の理解に苦しんだり、利用開始の手続き自体が入居に間に合わないということが発生する可能性があります。

 

2. 文化の違い

日本特有の賃貸慣習

日本には敷金、礼金、仲介手数料など、独自の賃貸慣習があります。
これらの慣習は、地域によって大きく変わってしまうこともあり、外国人にとって理解するのが難しい場合があります。
また、保証人が必要な場合も多く、外国人は保証人を見つけるのに苦労することがあります。

生活様式の違い

外国人と日本人の生活様式には違いがあり、例えばゴミの分別方法や静かな生活環境を保つことが求められる日本の賃貸住宅での生活習慣は、外国人にとって理解できないものかもしれません。
この点は出身国によっても理解度が変わってきますが、入居する外国人がどれくらい理解をしているかによってトラブルの発生頻度も変わってきます。

3. 手続きの煩雑さ

賃貸契約の手続き

日本の賃貸契約手続きは非常に煩雑です。
多くの書類が必要であり、手続きの流れも複雑です。日本に慣れていない外国人にとって、これらの手続きを自身で行うのは非常に難しい場合があります。
特に、住民票の取得や銀行口座の開設など、生活に必要な手続きが日本語で行われることが多いため、さらなる困難が生じます。

ライフラインの手配手続き

電気、水道、ガス、インターネットなどのライフラインの手配も、通常はサービスプロバイダーと個別に契約を結ぶ必要があります。
この手続きも煩雑であり、外国人はどのように手続きを進めればよいのか分からず、手配が遅れることがあります。
また、手続きの際には日本国内で通話可能な電話番号を求められるため、その電話番号をお持ちでない場合、ライフライン開始のお申込み自体ができないということも発生します。

 

4. 差別や偏見

外国人に対する偏見

一部の大家や管理会社（不動産会社）は、過去に外国人とのトラブルを経験したことがあったり、外国人が入居した際の噂などをもとに、外国人の入居を拒否しているところが未だに多いというのが現実です。
これにより、外国人は住居を見つけること、それ自体に苦労し、適切な住環境を確保するのが難しくなります。

文化の違いによる誤解

外国人と日本人の文化の違いによる誤解も、賃貸住宅でのトラブルの原因となることがあります。
例えば、外国人が日本の生活習慣に慣れていないため、近隣住民とのトラブルが発生することがあります。
これにより、外国人は住居を転々とすることがあったり、外国人を雇用する企業に苦情が入り、その対応に担当者が追われるというケースも少なくありません。

 

5. サポートの不足

企業側のサポート不足

企業が外国人従業員の住居やライフラインの手配をサポートしない場合、外国人は全ての手続きを一人で行わなければなりません。
これにより、外国人は手続きの複雑さや言語の壁に直面し、大きなストレスを感じることになります。
企業は、外国人従業員の生活の質を向上させるために、日本人の従業員同様にサポートを提供する必要があります。

専門的なサポートの欠如

外国人が日本での生活に適応するためには、専門的なサポートが必要です。
しかし、多くの外国人はこのようなサポートを受ける機会が限られているうえに、そもそもどこでそのようなサポートを受けられるかを知らないケースがとても多いです。

解決策と対策

企業によるサポート体制の強化

企業は、外国人従業員が円滑に生活を始められるように、部屋探しやライフラインの手配をサポートする体制を整えることが重要です。例えば、外国人向けのサポートを専門とするサービスを利用することや、社内に専任のサポート担当者を設置することが考えられます。
また、企業担当者は、どこにそのようなサポートがあるか、どこに連絡をすればサポートを受けられるかといった情報を、積極的に外国人従業員に提供する必要があります。

専門サービスの利用

Welcome Nest Japanのような専門サービスを利用することで、外国人の部屋探しやライフラインの手配をスムーズに進めることができます。
このようなサービスは、外国人に対して多言語での対応を提供し、手続きのサポートやトラブル回避の支援をします。

コミュニティの形成

外国人従業員が安心して生活できるように、企業はコミュニティの形成を支援することが重要です。
例えば、外国人同士が情報交換やサポートを行える場を提供することや、地域のコミュニティと連携して外国人が地域に溶け込みやすくすることが考えられます。

 

まとめ

外国人を雇用する企業にとって、外国人従業員の住居やライフラインの手配は今後、より大きな課題となってきます。
現時点でも言語の壁や文化の違い、手続きの煩雑さ、差別や偏見、サポートの不足など、多くの問題が存在します。

企業はこれらの問題を認識し、積極的に解決策を講じることで、外国人従業員が安心して働ける環境を整えることが求められます。専門サービスの利用や社内教育の充実、コミュニティの形成など、多角的なアプローチが必要です。企業が外国人従業員の生活の質を向上させるために努力することで、彼らの業務パフォーマンスも向上し、企業全体の成長にも繋がるでしょう。

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